2009年2月4日水曜日

鳥坂饅頭の嘘

善通寺市と三豊市の境に鳥坂峠というちょっとした峠があります。ここの名物に「鳥坂饅頭」なるものがあり、店舗は三豊市側に立地しています。店舗の紹介で『伊予の殿様が参勤交代のおり、休憩所として利用されてより160余年の歴史を有する老舗。』とありますが、私は現地踏査を基にした確たる証拠を以って物申させていただきます。

数十年前に周辺の古老(現三豊市出身で現在生きていると軽く120歳を超える古老)から聞いた話を検証したところ、元祖鳥坂饅頭を販売していた家は善通寺市側にあり、現在の鳥坂饅頭を経営している者とは姓も違う。証拠にその創業家の屋号は「まんじゅや」と呼ばれており、饅頭販売で成功し、現在でもその辺りでは裕福な家であることをフィールドワークの結果、確認しました。

その古老はさらに「昔、あんな店なんか無かった」と続けました。現在その古老は鬼籍に入ったし、生きていても物的証拠は無いですが、その情報の信憑性は高いと感じました。
現に10年前ぐらい前のるるぶの鳥坂饅頭の説明記事を見たら、そこには「創業100年」と書いてましたけどね(笑)頭が悪くて計算間違いやったり、取材ミスやったりしたら、文句の言いようがありませんけど。

フィールドワークの結果として、鳥坂饅頭を伊予の伊達公が食べたみたいですが、今の鳥坂饅頭とは違う食べ物であり、今の経営者の家で休憩したのでもないことは確かなようです。

現鳥坂まんじゅうは登録商標を取得し、裏には饅頭御殿があります。世の中のシステムを上手く使って生きるってことは大事ですが、他家がやっていた歴史を取り込んでまで、160年の歴史があります!と言い放って店の格を上げるってことはいかがなものかと思います。逆に嘘であったとしても社会に浸透して既成事実になれば、それは歴史になる。ってことは歴史を学んだ者の諦めかもしれません。でも嘘はいつかはバレるし、長続きしないです。

ちなみに…鳥坂饅頭の近くに「甘酒饅頭」という、いかにも偽物にしか見えない饅頭屋があります。この店主の先祖こそ先ほどの元祖鳥坂饅頭の創業家出身だそうです。この店主の生まれる前に饅頭屋は廃業してるんで、ここも源流とは言えませんが両者の饅頭を買う機会があれば一度食べ比べてみてください。

見てくれは悪く、甘酒を練り込んでいるため独特の発酵臭がありますが、冷えたまんじゅうを比べると…それはそれは比べ物にならないぐらい美味いです。冷えた饅頭は美味くない?まぁ騙されたと思って食べてみてください。

この情報は歴史と民俗学を学んだ私が現地踏査の結果に導き出した答えですが、本当か嘘かは読んだ皆さんが判断してください。少なくとも今生きてる人間で知る者は居ないことは確かです。

文章が堅苦しくてすいません。たまには真面目なブログもええかなぁと思って(汗)